フィラリア症とは蚊が媒介する寄生虫感染症です。

この病気は犬だけでなく猫にも感染することがあり、心臓や肺などに重篤な問題を引き起こします。

フィラリアは成虫になるまで数か月から数年かかるため、病気の初期段階では症状が現れないことがあります。

このため感染していることに飼い主さんも猫自身も気づかない場合があります。

特に猫は犬に比べて血管が狭く心臓も小さいため、症状が重症化しやすい傾向があります。

猫フィラリアHARDという状態ではさらに重篤化し命に危険が及びます。

最近では昔と比べると犬でもフィラリアへの感染はかなり減少しています。

当院でも犬で年間1～2頭ほどしかみかけません。

これほどまでに感染が少なくなっているのは、日頃からみなさんがしっかりと予防薬を投与していただいているからです。

「予防薬」とはいうものの、フィラリアが成虫になるのを予防するのですが、実際は体内に入ったフィラリアの幼虫を駆虫する薬です。ですので、蚊に刺されフィラリアの幼虫が体内に入ってしまったのに、万が一予防薬の投与を忘れてしまったら・・・数か月後には危険な状態に陥るかもしれません。

「去年も大丈夫だったから今年も大丈夫」とは決して言い切れないので、予防薬は忘れず投与しましょう。

猫フィラリアHARD（Heartworm Associated Respiratory Disease、心臓フィラリア関連呼吸器疾患）は、フィラリア症に罹患した猫によって引き起こされる疾患です。HARDは、心臓に寄生するフィラリアの成虫が肺動脈に移動し、肺に炎症を引き起こすことで発症します。

HARDの症状には、咳や息切れ、体重減少、食欲不振、嘔吐、貧血などがあります。これらの症状は、フィラリア症に罹患した猫にとって非常に苦痛なものであり、放置すると重篤な状態に進行することがあります。

1. 定期的に予防薬を投与する
   予防薬の投与は決して難しいものではありません。
   1ヵ月に1回、首筋にお薬を垂らすだけで自宅でも簡単に実施できます。
   
   当院では今年から『ネクスガードキャットコンボ』を採用しました！
   
   

   フィラリアの予防期間は当院周辺の地域では5月～12月です。
   ですが室内の気温であればノミは年中繁殖します。

   野良猫など外で暮らす猫さんは一年中ノミが寄生していることも多いので要注意。
   

   ノミの予防を考えると年中予防が理想的です。

   
   
   
2. 室内で飼育する
   蚊に刺されるのは室内より室外が多いので、できるだけ室内での飼育を徹底しましょう。
   ベランダや庭へ出るのも要注意です。
   しかし室内でも蚊の侵入は防ぎきれませんので、予防薬の投与も忘れずに行いましょう。
   
   
   
3. 定期的に健康診断を受ける
   定期的に健康診断を受診することで猫の健康状態を常にチェックし、早期発見・早期治療することができます。
   残念ながら犬のように簡易キットでのフィラリア検査は猫では難しいですが、定期的な検査によって感染の早期発見ができ治療の可能性が高まります。また、健診で獣医師からフィラリアの予防投薬のスケジュールを確認することもできます。
   
   

猫のフィラリア予防については当院へご相談ください。